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HighCorの考えたこと

人材会社3年目による読書感想、節約/稼ぐ情報、広島カープ等の雑記です。

バルミューダは大丈夫?ナレッジマネジメントが組織に与えるインパクト

読書感想

仕事のナレッジを貯めることが重要そうなことはわかるんだけど、
いざまとめようとすると億劫になる。

こんなことってありますよね。

その一因として、個人としてのメリットが感じづらいことにあると思います。
自分に貯まった暗黙知(身体に宿った言葉にしていない知識)を
形式知(言葉や文等の形にした知識)に変換するのに、すごい手間がかかるからです。
その割に恩恵を受けるのは、形式知化した自分ではなくて、それを享受した他人です。

そりゃ進むわけがありません。

まぁ、「個人」にも恩恵はあるのですが、今回は「組織」にとってどんな影響があるかナレッジマネジメントを生んだ本、野中郁次郎著の「知識創造企業」を基に明らかにしたいと思います。

知識創造企業

知識創造企業

 

 そもそも、ナレッジマネジメントはなんのためにやるかというと、じわじわと生産性を向上させたり(連続的イノベーション)、あっというまに生産性を向上させたりする(革新的イノベーション)確率を上げるためです。
知識をマネジメントしないと、そのようなことが起きるのは偶然性に支配されてしまうのです。

例えば、トップダウンの官僚型組織の場合、トップの知識を下へ下へ流すことになります。例として、GEのジャック・ウェルチトップダウン方式があげられます。
ウェルチが出した形式知を上から下に流していくのです。
ここでイノベーションを起こせるかどうかは、ウェルチの才覚に大きく依存します。
つまり、偶然性が高くなってしまうのです。
似たような話はジョブスの才覚に大きく依存したApple製品のイノベーションの度合いが下がってきていることでもいえると思います。

次に、ボトムアップの自律型組織の場合、自立性の高いボトムが個人個人で知識をえることになります。例として、3MのCEOよりもポストイットやマスキングテープを発明した社員を称える風土をあげています。
この組織の場合は自律性が高い分、社員同士の横や縦のつながりが薄いです。暗黙知暗黙知のまま個人に紐付き続けます。
イノベーションが起こせるかどうかは、たまたまお互いの考えを出し合えたタイミングになります。これもまた偶然に支配されます。

ここで、野中氏が提唱しているのが、「ミドル・アップダウン」組織です。
ドルマネージャーを知識創造の中心に据え、トップは触媒役、ボトムは知識習得役とする組織です。ミドルは、ボトムの持つ無数の暗黙知から、トップの掲げる理想に近づけるような、新しい知識を創造するのです。
本書ではキヤノンのミニコピア開発について例示されています。ミドルが先導を切って暗黙知形式知に、形式知暗黙知にするスパイラルを作り上げていました。

最後に、バルミューダの例を挙げたいと思います。バルミューダはスチームトースター、自然な風の扇風機、注ぎ心地抜群の電気ケトル等、次々に革新的な商品を生んでいます。では、どのようにして革新的製品を生んでいるのでしょうか。


バルミューダのスチームトースターはどんなパンでもカリッと美味しく焼けることで人気のトースターです。
その開発にはこんな話があります。

会社で公園にBBQに行った際、外は土砂降り。
でも熱心な開発チームはBBQでも研究のためパンを持ってきた。
そして、その日はとても美味しくできた。
ところが次の日、会社で作っても前の日ほどおいしくできない。
炭火がちがう? 火の距離? グリラー?
美味しさの答えは土砂降りによる「水分」だったのです。

www.balmuda.com

これはすばらしいイノベーションの例だと思います。
寺尾社長のスペインで食べた理想のパン。
それに近づけようと努力を続けた開発。

寺尾社長は革新的な商品を生むため、おそらく意識的にBBQのようなオフの交流をしていると思います。
が、それだけでバルミューダは今後も本当に大丈夫でしょうか。今後、新商品も多数出していくバルミューダは組織も大きくなることでしょう。
そのときには、「ミドルマネージャー」に知識創造の中心を担わせられるか、それがバルミューダが今後も革新的な製品を出し続けられるかのポイントになると思います。


以上、ナレッジマネジメントを意識して行わないと、イノベーションは偶然性に支配されてしまうので、組織の構造や役割を認識することが大切なことを示しました。
暗黙知にしっぱなし」や「わかりやすい形式知だけを伝える」のではなく「意識して暗黙知形式知を行き来する」ことが組織としてイノベーションを起こす確率を高めるのです。